二酸化硫黄(SO2) |
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大気汚染状況を示す指標の一つで、硫黄と酸素の化合物で、工場や火力発電所で石炭、重油を燃焼する際、その燃料中に存在する硫黄分が二酸化硫黄となり排出ガス中に含まれ大気汚染の原因となる。二酸化硫黄は人の健康に影響を及ぼす他、酸性雨の原因物質であるため、環境基本法に基づいて環境基準が定められている。また、大気汚染防止法では二酸化硫黄を含めた硫黄酸化物について排出基準を定め、更に総量規制も実施している。
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一酸化炭素(CO) |
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大気汚染状況を示す指標の一つで、炭素を含む燃料が不完全燃焼することにより発生し、主な排出源は自動車である。その影響は急性で、血中のヘモグロビンと簡単に結合し、血液の酸素輸送を阻害し、細胞での酸素利用を低下させ、濃度が高いと生命が危険となる。このため環境基本法に基づいて環境基準が設定され、大気汚染防止法に基づいて自動車排出ガスの中の一酸化炭素の排出量について許容限度を定め、規制を行っている。
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浮遊粒子状物質(SPM) |
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大気汚染状況を示す指標の一つで、大気中の粒子状物質のうち、粒径10マイクロメートル以下のものをいう。人の気道や肺胞に沈着し、呼吸器疾患の増加を引き起こすおそれがあるため、環境基本法に基づいて環境基準が設定されている。工場等の事業活動や自動車の走行に伴い発生するほか、風による巻き上げ等の自然現象によるものもある。
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二酸化窒素(NO2) |
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大気汚染状況を示す指標の一つで、物が燃えるときに窒素(N2)と酸素(O2)が結合して一酸化窒素(NO)となり、不安定な一酸化窒素(NO)はほとんどが酸化されて二酸化窒素(NO2)となる。通常、この一酸化窒素と二酸化窒素を合わせて窒素酸化物(NOx)
と呼ぶ。窒素酸化物は人の健康に悪影響を与えるおそれがあるため、環境基本法に基いて環境基準が設定され、大気汚染防止法等に基づいて対策が進められている。
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光化学オキシダント(Ox) |
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大気汚染状況を示す指標の一つで、大気中の炭化水素や窒素酸化物が太陽などの紫外線を吸収し、光化学反応で生成された酸化性物質の総称である。粘膜への刺激、呼吸への影響といった健康影響の他、農作物など植物へも影響を与える。このため、環境基本法に基づいて環境基準が設定されている。光化学オキシダントに起因するスモッグを光化学スモッグという。
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ダイオキシン類 |
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塩素含有物質等が燃焼する際に発生する毒性を有する物質。ダイオキシン類対策特別措置法(1999)では、PCDD、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co-PCB)をあわせて「ダイオキシン類」と定義されている。いずれも平面構造を持つ芳香族有機塩素化合物で、置換した塩素の数や位置により多数の構造異性体が存在する。
塩素と有機物(ベンゼン環)存在下で、銅を触媒にして生成する。特に250~400℃の比較的低温で、有機塩素を含むプラスチックを不完全燃焼すると発生しやすい。
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微小粒子状物質(PM2.5) |
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直径が2.5μm以下の超微粒子。浮遊粒子状物質(SPM)は粒径が 10μm以下であるが、それよりもはるかに小さい粒子である。PM2.5はぜんそくや気管支炎を引き起こす。小さな粒子は気管を通過しやすく、肺胞など気道より奥に付着するため、人体への影響が大きいと考えられている。代表的な微小粒子状物質であるディーゼル排気微粒子は、大部分が粒径0.1~0.3μmの範囲内にあり、発ガン性や気管支ぜんそく、花粉症などの健康影響との関連が懸念されている。
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