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環境問題の発生 「浅海域や自然海岸の消失」

 
 大阪湾沿岸域の地形は後背地における社会経済活動の発展に伴い大きく改変され、昭和初期までに広く存在した浅海域や自然海岸は大幅に減少し、市民が海と触れ合うことのできる親水空間や生物多様性を確保する上で重要な干潟や藻場が失われてきた。また、大阪湾は、集水域に大きな人口・産業集積を有する閉鎖性海域であり、陸域からの汚濁負荷の流入が大きい上に汚濁物質が蓄積しやすい状況にあることから、水質汚濁が特に湾奥部において慢性化している。
 これまでにも、内陸部より流入する環境負荷の削減への取り組みが行われ、海域環境を改善する各種施策も進められてきた。人間活動に起因する汚濁負荷量の軽減については一定の成果が見られたものの、水産生物など生物の生息に多大な影響をもたらす赤潮や貧酸素水塊は現在も発生している。
  これらの課題に対応するため、平成16年に「大阪湾再生行動計画」を策定し、平成26年に策定した「大阪湾再生行動計画(第二期)」では、目標要素を「美しい『魚庭(なにわ)』の海」、「親しみやすい『魚庭(なにわ)』の海」、「豊かな『魚庭(なにわ)』の海」の3つとし、それぞれの目標を達成するために施策を実施している。
 

浅海域や自然海岸の消失

 
 浅海域や自然海岸の消失により、市民が海と触れ合うことのできる親水空間や生物多様性を確保するうえで重要な干潟や藻場が失われた。また、これに伴い自然の水質浄化能力が低下しており、大阪湾の水質汚濁が慢性化している原因の一つと考えられている。
 
昔の自然海岸
出典: 「吾がふるさと大阪湾 増補改訂版」(荒尾立夫著、平成元年)
 
潮干狩のできる干潟
出典: 「吾がふるさと大阪湾 増補改訂版」(荒尾立夫著、平成元年)
コスモスクエア海浜緑地の護岸
 
◆親水性の低下
 大阪湾は自然海岸の割合が少なく、特に湾奥部は港湾施設として利用され、コンクリートの直立護岸となっており、人々が海と触れ合える場がごくわずかになっている。
 
◆生物多様性の低下
 藻場・浅場等の浅海域は、多様な生物の生息・生育の場として最も重要であり、水質の浄化能力を有することからも重要である。大阪湾に昭和初期までに広く存在した浅海域や自然海岸は、沿岸域の埋立てが沖側へ進展した結果、その面積が大幅に減少している。現在、多様な生物の生息環境として重要な干潟や藻場は南部海域の泉南(空港島護岸を含む)、淡路島などの沿岸域にわずかに残されているだけで、北部海域ではほとんどが消滅している。
 
◆海岸線の形状
 湾奥は人口海岸(直立の岸壁等)が多く、自然系の海岸は湾口部や神戸市の西部に存在している。
出典:国土交通省近畿地方整備局「大阪湾環境図説」(平成14年度)より作成
 
◆大阪湾に残された貴重な自然環境の保全
 大阪湾では、甲子園浜、大阪南港、堺泉北港助松埠頭、大津川河口、男里川河口などの干潟及び河口付近において、ハクセンシオマネキやイソシジミなどの生物や、チュウサギ、コアジサシなどの貴重な野鳥がみられる。
 このような大阪湾に残された貴重な自然環境の保全を図っていくことが重要である。
 
現在の甲子園浜(2015年5月)
第8回(平成27年)大阪湾生き物一斉調査
 
男里川河口干潟 (2011年4月)
 

 


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