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∥大阪湾の環境 2.大阪湾の海域環境 「干潟・藻場」 |
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大阪湾に存在する干潟としては、平成27年度の調査において大和川河口付近、大津川河口付近及び成ヶ島の計3ヶ所、47haが確認されている。これらの干潟では、シギ・チドリ類等の野鳥が飛来し、人々のバードウォッチングの場として利用されるとともに、成ヶ島では春季から夏季にかけては、潮干狩り等に利用されている。なお、淀川河口付近においては、昭和30年頃まで、数ヶ所の河口干潟が残存していたが、昭和53年にほぼ消滅したとされている。
また、大阪湾内に存在する藻場は、平成27年度の調査において336haが確認されている。現地調査が行われた場所における藻場の種類は、大阪湾南部ではガラモ場、カジメ場が多く、淡路島東部ではアラメ場、テングサ場が多かった。
藻場は、大阪湾の湾奥部には存在せず、大阪湾南部から西部にかけての沿岸部に分布している。
大阪府泉州沖に建設された関西国際空港では、護岸延長の大半(1期関西空港島:11kmの8割程度、2期関西空港島:13kmの9割程度)を緩傾斜石積護岸としたことにより海藻が着生し、藻場が造成されている。藻場の面積は調査開始以来、増加傾向にある。また、スズメダイ等の漁業上の有用種やマダイ等の稚魚が観察される等、魚介類の生活の場、保護育成の場ともなっている。
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干潟 |
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潮の干満により、干出と水没を繰り返す平らな砂泥地のことをいい、潮干狩りの場としてもよく利用される。波浪の影響を受けにくい穏やかな入り江や湾内で、砂泥を供給する河川が流入する場所に多く発達する。
干潟には陸上からは河川によって栄養塩や有機物が、海からは潮汐によってプランクトンが定期的に供給されるため、生物の餌場として重要な役割を果たしている。また、生息する多様な生物により栄養塩類、有機物が消費・分解され、干満によって海水中に酸素が大量供給されることから、海の水質を浄化する重要な役割を担っている。 |
藻場 |
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海藻が茂る場所のことをいう。構成種により、「アマモ場」、「ガラモ場」、「アラメ場」、「カジメ場」、「コンブ場」、「ワカメ場」等に分類され、波当たり、光量、海底の地形により分布域が異なる。
藻場は魚介類の産卵場、生育場、餌場としての役割を果たすため、多様性のある豊かな生態系が形成される。また、光合成による酸素の供給、生物による栄養塩類の消費・分解によって海の水質を浄化する重要な役割を担っている。 |
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干潟・藻場の状況(平成27年度:環境省) |
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海域 |
干潟面積 (ha) |
藻場面積 (ha) |
大阪湾 |
和歌山県 |
0 |
44 |
大阪府 |
38 |
97 |
兵庫県 |
8 |
195 |
計 |
47 |
336 |
紀伊水道 |
和歌山県 |
83 |
185 |
兵庫県 |
1 |
358 |
徳島県 |
119 |
257 |
計 |
203 |
800 |
播磨灘 |
兵庫県 |
97 |
289 |
岡山県 |
212 |
510 |
香川県 |
58 |
583 |
徳島県 |
0 |
13 |
計 |
367 |
1,395 |
瀬戸内海(東部)合計 |
1,023 |
3,920 |
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備考)「瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査」(環境省)、「平成27年度瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査検討業務報告書」(環境省)における藻場・干潟の基準
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「干潟」:現存する干潟で以下の要件の全てに合致するもの。 |
・高潮線と低潮線に挟まれた干出域。
・大潮時の連続した干出域の面積が1ha以上であること。
・移動しやすい底質(礫、砂、砂泥、泥)であること。
・河口干潟については、河口から第1橋(埋立地内の橋は含めない)までを対象とする。
・人工的に造成された干潟も対象とする。
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「藻場」:現地調査データと衛星画像情報を比較・確認して画像解析し、藻場に該当する輝度(光の明るさ)の画素を藻場として分類。現地調査においては、以下の基準を用いた。 |
・小型海藻類は被度(海底を覆う面積割合)が5%以上の地点。
・大型海藻類、海藻類については被度に関わらず確認できた地点。
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出典: |
環境省「瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査について」
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環境省「平成27年度 瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査検討業務報告書」(平成28年3月)より作成
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干潟・藻場の分布(平成27年度、衛星画像解析:環境省) |
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注) |
図に示す藻場・干潟の位置は衛星画像解析による結果である。 |
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藻場の調査地点(平成27年度、現地調査:環境省) |
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注) |
図に示す現地調査地点は衛星画像解析の際、十分な精度を有するデータを取得するために行われた現地調査の地点である。 |
出典: |
環境省「瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査について」 |
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環境省「平成27年度 瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査検討業務報告書」(平成28年3月)より作成 |
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干潟分類 |
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干潟は、地形的な特色により、河川の放流路の両側に形成され砂浜の前面に位置する「前浜干潟」、河川の河口部に形成される「河口干潟」、河口や海から湾状に入りこんだ湖沼の岸に沿って形成される「潟湖干潟(かたこひがた)」の3タイプに分類される。
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出典:せとうちネットホームページより |
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現地調査地点の概要(平成27年度:環境省) |
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NO |
湾灘 |
海域 |
水深 (m(CDL)) |
底質 |
藻場 |
1 |
大阪湾 |
大阪湾南部 |
-2.5 |
砂、転石 |
アマモ場 |
2 |
-3.3 |
転石、砂泥 |
ガラモ場 |
3 |
-3.3 |
砂、転石 |
ワカメ場 |
4 |
-3.6 |
転石、砂泥 |
ガラモ場 |
5 |
-3.9 |
転石、砂泥 |
ワカメ場 |
6 |
-2.3 |
岩盤、転石、砂 |
ガラモ場 |
7 |
-2.6 |
岩盤、転石、砂 |
ガラモ場 |
8 |
-3.1 |
岩盤、転石、砂 |
ガラモ場 |
9 |
-3 |
岩盤、転石、砂 |
ガラモ場 |
10 |
-3.3 |
岩盤、転石、砂 |
ガラモ場 |
11 |
-3.6 |
岩盤、転石、砂 |
ガラモ場 |
12 |
-3.9 |
岩盤、転石 |
ガラモ場 |
13 |
-1.9 |
砂泥、転石 |
ガラモ場 |
14 |
-1.3 |
岩盤、転石 |
ワカメ場 |
15 |
-1.5 |
岩盤、転石 |
ワカメ場 |
16 |
-2.1 |
岩盤、 |
ガラモ場 |
17 |
-2.8 |
岩盤、砂泥 |
ワカメ場 |
18 |
-3.4 |
岩盤、砂泥 |
ワカメ場 |
19 |
-1 |
転石、砂 |
ワカメ場 |
20 |
-1.9 |
砂、転石 |
ガラモ場 |
21 |
-2.7 |
岩盤、転石 |
ガラモ場 |
22 |
-2.9 |
岩盤、転石 |
ガラモ場 |
23 |
-3.3 |
転石、砂泥 |
カジメ場 |
24 |
-3.4 |
岩盤、転石 |
カジメ場 |
25 |
-1.7 |
転石 |
ワカメ場 |
26 |
-3.4 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
27 |
-3.7 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
28 |
-3.9 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
29 |
-4.4 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
30 |
-4.7 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
31 |
-3.7 |
砂、転石 |
アマモ場 |
32 |
-4 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
33 |
-4.1 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
34 |
-4.4 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
35 |
-0.6 |
岩盤、転石 |
その他 |
36 |
-5 |
転石、砂泥 |
カジメ場 |
37 |
-5.3 |
岩盤、転石、砂泥 |
カジメ場 |
38 |
-0.2 |
岩盤、転石 |
テングサ場 |
39 |
-1.3 |
岩盤、転石 |
ワカメ場 |
40 |
-2.8 |
岩盤、転石、砂泥 |
ガラモ場 |
41 |
-1.2 |
岩盤、転石 |
ワカメ場 |
42 |
淡路島東部 |
-1.4 |
転石 |
ガラモ場 |
43 |
-2.8 |
転石 |
アラメ場 |
44 |
-6.5 |
岩盤 |
アラメ場 |
45 |
-8.7 |
転石 |
アラメ場 |
46 |
-11.2 |
転石 |
アラメ場 |
47 |
-0.9 |
転石 |
テングサ場 |
48 |
-1.5 |
転石 |
ガラモ場 |
49 |
-3.2 |
砂、転石 |
ガラモ場 |
50 |
-5.2 |
砂、転石 |
アラメ場 |
51 |
-8.1 |
転石 |
アラメ場 |
52 |
-7.7 |
転石 |
アラメ場 |
53 |
-0.7 |
砂、転石 |
ガラモ場 |
54 |
-2.2 |
砂、転石 |
ガラモ場 |
55 |
-2.3 |
砂、転石 |
テングサ場 |
56 |
-3.4 |
砂、転石 |
アラメ場 |
57 |
-2.6 |
砂、転石 |
アラメ場 |
58 |
-2.4 |
転石 |
アラメ場 |
59 |
-3.1 |
転石 |
ガラモ場 |
60 |
-6.8 |
砂、転石 |
アラメ場 |
61 |
-11.2 |
砂、転石 |
テングサ場 |
62 |
-1.7 |
転石 |
テングサ場 |
63 |
-6.2 |
砂、転石 |
テングサ場 |
64 |
-1.3 |
転石 |
テングサ場 |
65 |
-0.7 |
転石 |
テングサ場 |
66 |
-3.6 |
砂、転石 |
テングサ場 |
67 |
-6.4 |
砂、転石 |
アラメ場 |
68 |
0.1 |
転石 |
アラメ場 |
69 |
-3 |
転石 |
テングサ場 |
70 |
-2.7 |
砂泥 |
アマモ場 |
71 |
不明 |
転石 |
ガラモ場 |
72 |
-2.4 |
転石 |
ガラモ場 |
73 |
播磨灘 |
室津 |
-2.6 |
転石、砂 |
テングサ場 |
74 |
-3 |
転石 |
テングサ場 |
75 |
-1.8 |
転石 |
テングサ場 |
76 |
-1.7 |
砂、転石 |
テングサ場 |
77 |
-2.2 |
転石 |
テングサ場 |
78 |
-1.9 |
転石、砂 |
ガラモ場 |
79 |
-1.9 |
転石 |
テングサ場 |
80 |
-1.5 |
転石 |
ガラモ場 |
81 |
-1.6 |
砂、 |
ガラモ場 |
82 |
-1.9 |
転石、砂 |
テングサ場 |
83 |
-1.4 |
転石、砂 |
ガラモ場 |
84 |
-1.9 |
転石、砂 |
ガラモ場 |
85 |
-1.5 |
砂、岩盤 |
ガラモ場 |
86 |
-4.3 |
砂、転石 |
アマモ場 |
87 |
-1.6 |
砂、転石 |
アマモ場 |
88 |
-2.4 |
砂 |
アマモ場 |
89 |
-2.6 |
岩盤、砂 |
ガラモ場 |
90 |
-3.2 |
砂 |
アマモ場 |
91 |
-3.3 |
砂 |
アマモ場 |
92 |
-3.3 |
砂 |
アマモ場 |
93 |
明石 |
-4.2 |
砂泥 |
アマモ場 |
94 |
-3.9 |
転石、砂 |
アマモ場 |
95 |
-2.4 |
砂(貝殻,拳大) |
アマモ場 |
96 |
-3.6 |
砂(貝殻,拳大) |
その他 |
97 |
-2.4 |
砂 |
アマモ場 |
98 |
-4.8 |
砂(貝殻) |
アマモ場 |
99 |
-3 |
砂 |
アマモ場 |
100 |
-2 |
転石、砂泥 |
その他 |
101 |
-1.3 |
転石,砂 |
ガラモ場 |
102 |
-1.3 |
転石,砂泥 |
ガラモ場 |
103 |
-2.9 |
砂、転石、貝殻 |
アマモ場 |
104 |
-3.1 |
砂泥、転石 |
アマモ場 |
105 |
-2.3 |
砂、転石 |
アマモ場 |
106 |
不明 |
構造物 |
その他 |
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出典: |
環境省「瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査について」 |
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環境省「平成27年度 瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査検討業務報告書」(平成28年3月)より作成 |
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